網羅する算数(テーマ別)

【中学受験・網羅する算数】「フィボナッチ数列」を網羅する【テーマ別 #1】

中学受験算数「フィボナッチ数列」

(このブログは、中学受験において「塾なしで最難関校を目指す」ことができるように、算数の学習内容を網羅的に学べる記事を書いています。)

さて、網羅する算数のテーマ別第1回目は、「フィボナッチ数列」です。

フィボナッチ数列とは?

具体的にはどんな数列か?

まず結論から書くと、フィボナッチ数列とは以下の2つのルールによってつくられる数列のことです。

  • 最初の2つの数は、2つとも「1」
  • 3つ目以降の数は、前の2つの数を足した数

この2つのルールに従って実際に数列を書き出してみると、以下のようになります。

1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89, 144, 233, 377, 610, 987, 1597, …

この数列のことを「フィボナッチ数列」といい、ここに現れる各々の数のことを「フィボナッチ数」と呼びます。

フィボナッチ数列の名前の由来は?

今から800年以上前の1202年、イタリアの数学者レオナルド・フィボナッチが『算盤の書』という書籍を出版しました。

アラビア数字をヨーロッパに導入するきっかけとなった本として有名なんですが、この本の中で上記の数列を紹介したことで「フィボナッチ数列」として世の中に知れ渡っていきました。

ただ、このフィボナッチ数列を最初に発見したのはフィボナッチではなく、インドの僧侶であり学者でもあるヘーマチャンドラという人が1150年ごろには発見していたとされています。

なぜフィボナッチ数列が重要なのか?

さて、上述のような並びのフィボナッチ数列ですが、数ある数列の中でなぜこの数列が特別視され、重要な数列として取り上げられることが多いのでしょうか?

それは、自然界によく現れるためです

たとえば、ヒマワリの種の螺旋の並び。

貝殻の螺旋。

ロマネスコの螺旋。

こんなふうに、自然界にたびたび現れるため、フィボナッチ数列は特別な数列としてしばしば取り上げられるわけです。

フィボナッチ数列をテーマにした中学受験入試問題過去問

東京学芸大学附属竹早中学校(2003年度/平成15年度)

次の数列は、ある決まりに従って並んでいます。A、Bに当てはまる数を答えなさい。

1, 1, 2, 3, 5, A, 13, 21, B, 55, …

東大寺学園中学校(1994年度/平成6年度)

下の数列は、「となり合う2数を加えて次の数を作る」という決まりによって並んでいます。

1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, …

(1) 15番目の数を答えなさい。

(2) 63番目の数の10の位の数は「4」,1の位の数は「2」です。また、64番目の数の10の位の数は「2」,1の位の数は「3」です。61番目の数の10の位の数と1の位の数をそれぞれ求めなさい。

(3) この決まりに従って500個の数を並べた時、3の倍数は全部で何個になるかを答えなさい。

早稲田中学校(2006年度/平成18年度)

10段の階段があり、「1段上がり」と「2段上がり」のどちらか一方、または両方を用いてのぼります。このとき、次の問いに答えなさい。

(1) 2段上がりをちょうど3回用いる場合、階段ののぼり方は何通りありますか。

(2) 階段ののぼり方は全部で何通りありますか。

(3) 7段目を踏まないで階段をのぼる方法は何通りありますか。

フィボナッチ数列についてはひとまず以上になりますが、実はこれに似た数列「トリボナッチ数列」というのもあります。これについては次のテーマ別で見ていきましょう!